人気ブログランキング | 話題のタグを見る

エノカマの旅の途中

enokama.exblog.jp

旅と歴史と競馬のお話をします

ブログトップ

山南忌に行って参りました! その2

1時半から式典開始。
もう、会場はあふれんばかりの人です!

「山南忌」実行委員会 会長の田野さんの挨拶に始まり、来賓の方の挨拶
島原の方の奉納舞や劇団の芝居と続き・・・
幕末維新を研究されている多田さんの講演となりました。
本職は古美術商の方で商売柄、貴重な史料を扱われることも多く
東寺の古物市で高杉晋作が四境戦争の小倉攻めの際に使用した、上海土産
の軍扇を見つけた話や、新撰組に関しては島田魁の戸籍謄本の控え(函館戦争
のあと、家族に累が及ばないように、息子の名を変名させた形跡があり)
武田観柳斎の残した文書なども見つけられたそうです。

今回は主に前川家の話で、確か僕が初めて壬生に行った時は八木邸が公開
されていたぐらいで、そちらがゆかりのある場所と思ってたんですが
本来、幕末期の前川家は京の地にあって御所(朝廷)・所司代及び奉行所(幕府)
の掛屋と呼ばれる米や金子の運用や管理をまかされていて(財布を握っていた)
幕府が朝廷に政権を返す事態になって、どちらに転んでも影響力があったと言う
恐るべき勢力を持ってました。
「八一八政変」の際の大阪城代(こちらの掛屋もやっていた)と京都所司代の書簡
のやりとりの中継に、必ず前川家を通していた(城代の文書の代書きもしていた)
ちょっと、びっくりするような事実もあったそうです。

清河八郎が浪士隊を率いて上洛したさい、やはり引き受け先とされたのは前川家
で本家はこの時、市中心部の六角通り沿いにあって、隊士を収容できるある程度の
広さを持つ屋敷として郊外にあった分家の壬生の地(当主の弟が相続していた)
が選ばれた。
その際、増改築を行い小部屋を作って収容した他、偵察に備えた格子窓の追加、
土塀で固めたり要塞化した。また、そんな中にも坪庭を作ってリラックスできる
スペースもあった。
そして、それでも足らない分は隣接の新徳寺・八木家にも分かれて収容された。
ここに壬生の新撰組が誕生して、活躍を始めたわけです。

やがて、そんな壬生の地も去る事態が
本来、この屋敷は市中心部の本家の一大事の際の避難所の意味もあって
「禁門の変」で実際に本家が焼けてしまって、新撰組の屯所となってからの壬生の
当主は本家住まいになっていたわけだったが、行き場を失ってしまった。
そこで、幕府に嘆願書も出した影響もあり、西本願寺に移転することになります。

こんな大勢力を誇った前川家も類にもれず、明治維新後は徳川の債務も背負わ
されたこともあり、没落する運命となります。
また、前川家のこの幕末期の文書類は六角の蔵に眠っていたそうですが、鍵の
紛失もあって長い間、日の目を見ませんでした。
しかし、取り壊しが決まって手が入ることとなり、やっと日の目を見たそうですが
それはほんと宝の山でしょうね(帰りにその一部が展示してありました。そんな経緯
なんで、すごく保存状態がよかった)
・・・今日はほんと、目からウロコの話を聞かせてもらいました!

この後は「天然理心流」の居合演武。
近藤勇と井上源三郎の子孫の方です!
山南忌に行って参りました! その2_f0010195_1275023.jpg


式典は3時間ぶっ通しでしたが、すごく濃い時間を過ごすことができました!
当日、お世話になった皆さん ありがとうございました!
Commented by あさぎ at 2008-03-13 10:21 x
こちらでは、初めまして!
先日は、大変お世話になりました&エノカマさんはじめ、皆さんのお陰でとても楽しい時を過ごせました。

式典の内容、、、
メモってらしただけ有って、とっても詳しくレポートされてますね!
読ませて頂いていると、あの日のことがまざまざと蘇って来ます。

演武の写真も鮮明で、とても綺麗です。
迫力、有りましたね~

エノカマさん、又来させて下さい。
それから、今後ともどうぞ宜しくお願い致します♪
Commented by enokama at 2008-03-16 20:20
> あさぎ さん
こちらこそお世話になりました。
当日、出会った皆さんのブログの記事が出揃って見ると
改めて意味深い行事だったんだなと思いました。

このブログを読まれたらわかりますが、いろんな歴史にまつわる
行事にちょいちょい顔出しています!
また、何か行事ありましたらお知らせしますね。
これからもよろしくお願いします。
Commented by あさぎ at 2008-03-18 12:35 x
あ!行事、是非またお知らせ下さい♪
それから、、前のコメントでお願いして置けば良かったんですが、、、

宜しければ、こちらのブログをウチのブログリストに加えさせて頂きたいのですが、如何でしょうか?
Commented by enokama at 2008-03-20 17:26
> あさぎ さん
リスト追加歓迎いたします!
また、行事ありましたら連絡しますね。
by enokama | 2008-03-12 01:32 | 歴史全般 | Comments(4)