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エノカマの旅の途中

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映画 「峠」

コロナ禍で延び延びになっていた司馬遼太郎の原作です。
歴史つながりで行ってきた報告をされる方も多いのですが
やっぱり聞いていた通りに入りは寂しかったですね。




原作はある程度の年数を書いてあったと思うんですが、本作では戊辰戦争が始まってから
河井継之助の判断は如何に?というあたりからの内容でした。
主役の役所浩司のセリフだけで、物語全セリフの八割ぐらいあったような印象で
役所さんもあれだけ覚えるのも大変だっただろうなと感じました。
前置きはそれまでの先人の教えの影響等は触れられず、スネルとの交際があったこと。
史実的には僕は知らないんだけど、スイスが中立国としての立場でいるということを知っていたようです。
他の出演は牧野候と小林虎三郎、例の岩村誠一郎ぐらいだけでしょうか。

慈眼寺の談判では吉村秀隆の岩村と対峙します。
陸援隊に正式に入ったか入らなかったぐらいの経歴しかない岩村が
なぜ白井小助らを差し置いて、この場で一番の要職にありついていたのか僕にはよくわからないんですがね。
(特に調べる気もないのが悪いのだけど・・・)
役者が役者だけに横暴なイメージの岩村ではなく、その立場であればしょうがない判断だったかなと感じました。
河井も河井でハナから談判の場で「西軍、東軍」(これはないだろ)と言わせていたし、対等だとの主張ばかり聞かされてもね。
しかし(岩村から見て)しつこく河井は引き下がらない。
でもそれでこう言われて受け入れましたって報告したら、当然岩村も叱責されるだろう内容だしね。
世良修蔵の立場もそうだったと思いますよ。
仙台藩が自分たちの失策を隠すために、一方的に世良に責任をおっ被せた史伝を残してしまったと言われてますし。

戦闘になり、新政府軍が長岡側の隙をついて信濃川を渡り長岡城を取り
(この経緯で河井が手繰るガトリング砲が登場)
一旦引いた長岡側が八丁沖を渡り、再度長岡城を奪還します。
しかし黒田清隆(出演なし)率いる新政府軍が敵前上陸、尊王藩だった新発田藩が新政府軍側につくことで攻勢を強め
河井らは長岡を出て会津へ向かうがその途中の只見で被弾したことが元で亡くなります。
「会津も長くない・・・あとは庄内へ向かえ」と言い残していた。
朝日山や桑名藩もセリフにはあったけど、時山直八や立見尚文は全く出てきませんでした。
(ここが楽しみだったのに・・・)

安定の役所さんだし、原作もしっかりしてるんでそれなりに楽しめましたが
もう少し河井個人だけでなく、幅広い視点もあったらよかったなと思いました。
ロケ地は地元中心だったようですが、景色は綺麗な場所が多かったですね。

by enokama | 2022-06-30 21:30 | 書籍・ライブ・映画 | Comments(0)