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エノカマの旅の途中

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来年の大河「八重の桜」における松平春嶽の立場

来年の大河「八重の桜」でのキャストがほぼ出揃ったようです→こちら

その中で僕が気になるのは、松平春嶽の位置付けなんですが・・・
(よく最近の今回の大河関連記事で「藩主」と書かれていることが多いが、越前福井藩主・松平慶永が
「安政の大獄」で隠居となって「春嶽」と称すことが多くなり、文久以降は「越前の前藩主」とされなければ
ならない。特に春嶽を叩きたがる人ほど「どうでもいい」らしく、この間違いが多い)

11歳で福井藩主となる。学問に秀で、有能な人材を登用、英邁な藩主と知られ、薩摩藩主・島津斉彬や
土佐藩主・山内容堂、宇和島藩主・伊達宗城とともに四賢侯の一人と称される。「文久の幕政改革」で
政事総裁職となり、会津藩に京都守護職の就任を執拗に要請する。明治の世になると新政府に出仕
民部卿、大蔵卿などを歴任する。春嶽を評して「春嶽と按摩のような名をつけて上を揉んだり下を揉んだり」
と当時の狂歌に歌われる。

立場があいまいなように見える人は、歴史上では嫌われる運命ではありますが
この文章ではやはり「会津」の引き立て役として「悪役」となって
HR一やS乙女、N村A彦の信奉者は溜飲を上げるものと思われます。
まあ今回は「東北の大河」ってことで致し方ない面はありますが、ここで強調され知られるようになっても
幕末福井舞台の大河ドラマなどは、まずありえないことでもあるので
その印象は挽回されることなく、ずっと残ってしまうわけですね。。。

本当に福井の方もおっしゃいますが「アピールが下手で」ってこともありますので
微力ながらも「真実」ってのを、僕も伝えて行きたいと思います。
以下は某所での僕の書き込みです。
荒くて抽象的な文章ですが、ご容赦ください。。。




根本的に会津と比較されたり、春嶽が非難されるのはまったく違う次元の問題。春嶽のころにはもう
「武士の体面」って言うのは越前では薄れてきて、殖産産業を興すのに三国の商人に頼み込んだり
藩政を藩外の横井小楠に委ねた部分があったり、なりふり構わない姿勢でいた。
これは、小楠の教えである「富国富民」が浸透していたからこそで、決して恰好悪いことではない。
威張るだけの武士じゃなくって、領民の生活をしっかり成り立たせることこそが一番大事なことだと言うこと。
(ただし禁門の変での「堺町御門」での死闘など、果敢な戦いは行っている)

会津が守護職を受ける時、確かに春嶽の強烈なプッシュはあった。でも小楠が福井を去った後
越前は慶応3年までほとんど国政にはタッチしていない。そして「第二次征長」の際には越前は幕閣に最も
期待されたが「財政難」を言って断っている。このあたりは財政が危機的状態であっても「一会桑」体制の
拠り所として、慶喜に引きとめられて、京都に残る決断をした会津とは対照的なこと。
「領民あっての国」として卑怯と言われても(そう言うことは当時の人は言わなかっただろうけど)
領国を守る越前の姿勢と、領民を巻き込むリスクをしてまで幕府に殉じた会津。
「士道」で言うなら、多くの方が称賛する後者だろうが、決して越前の姿勢が恥ずべきことではないと思う。
少なくとも領民からは正しい選択だったとされるだろう。
Commented by ゆら at 2012-11-02 15:05 x
春嶽について書いて下さって有難うございますvv
便乗して、コメントしてみました。

>立場があいまいな人
春嶽は、立場があいまいなのではなく、討幕派対佐幕派という理解りやすい構図に当てはまっていないだけです。

>幕末福井舞台の大河ドラマなどは、まずありえない
なくていいです。
正しく理解している人を見たことがないので、間違った解釈が広められるよりは、無視してくれてる方が有難いです。
Commented by enokama at 2012-11-02 18:43
最初、この文を書いたのは例のごとく「会津は春嶽のせいで奈落に落とされた」
って書き込みに対しての反論で勢いで書いたものです。

いつも言うことですが、歴史への敬意を払って
自分自身はできるだけ歴史上の人物の批判ってしたくないんですが
あまりにも相手の立場もちっとも調べないで、一方的な俗説を
いつまでも同じような論調で語られるのが、すごい腹立たしいんです。
僕も慶喜とか井伊とかは嫌いだった。
でもその立場を調べると、一部でも理解できる面も出てきたりするんです。。。

でも会津押しの連中って正直、おかしい面があるでしょう。
自分たちに都合のいいことだけ言って・・・
ほんとちゃんと理解するような人は、残念ながらほとんどいないですね。。。
Commented at 2013-06-30 10:56 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by enokama | 2012-10-17 23:52 | 福井藩 | Comments(3)