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エノカマの旅の途中

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山縣嫌いと司馬史観

北斎展の後は、一月ほど「新収蔵品展」として違った展示がされている霊山歴史館に行ってました。

歴史館前の木戸さんの石灯籠と薩摩梅
山縣嫌いと司馬史観_f0010195_23135048.jpg

そういえば月曜に休みを取れば四連休になることもあるでしょうか?
京都の人出はとても多いし、歴史館もいっぱいでした。

ちょうど木村学芸課長がおられて、今回の展示の詳しい説明も聞くことができました。
ありがとうございました。
今回の五稜郭の鳥瞰図風な絵図は特に圧巻でした・・・

まだまだ古書店等には貴重な資料も眠っているようだし
持っておられる方側では「その価値観」ってのはわからないだろうし
探しがいがあるっておっしゃってました。
またツアーの時期にもなりますし、予習もできたらしておきたいと思います!

このあとは講演を聞きに行きました・・・



京都龍馬会でも定期的に講演をされていて
去年ぐらいから同志社大学の竹本知行さんが、主に大村益次郎関係を話されています。
題目はいわゆる「司馬史観」で、主に大村益次郎の「花神」を中心に
何回かされると言うことでしたが、スパッスパッと斬られて小気味いいお話を聞くことができました!

司馬遼太郎先生は神田の古書街のことは有名な話ですが、かなり調べこんでいることもあって
まったく信じ込む点もあるがゆえに、間違った点(フィクション面)が流布されるってことも多いことです。
だから島津久光って人も無能であり、武市半平太は冷酷な男って刷り込まれる人も多いし
そこから研究するってならない限りは、そう言ったレッテルがずっと貼られてしまうんですよね。
僕は「この資料からこの部分を取ってこう解釈したな」って比較するのも、今は楽しみになってたりする
んですけどね(笑)

あと司馬先生の好き嫌いの話で楽しく話ができました。
てっきり井上馨(聞多)が一番嫌いなんだろうなと思ってたんですが
まだこっちの方は愛嬌があるからいいとして(確かに言える)
山縣有朋なんですね。そしてそのラインの乃木希典になると・・・
そう思えば歴史仲間内の話でも、まだ大久保好きはいる。けど山縣好きはまずいない。
でもいることはいるらしい「誰も好きにならないから、私ぐらいが好きにならないと」って消極的理由(苦笑)
乃木は山縣の命を受けて、萩の乱直前の前原一誠一派の動向をさぐったりして(弟が前原に近かったため)
スパイ的な行動をしていたそうです。
そのあたりも司馬先生は嫌いらしい・・・
まあ功罪は置いておいても、性格面にまで糞ミソに書いてしまう。
実際の乃木って人は心優しい面もいっぱいあったし、エピソードも残ってるんですけどね。

後はあのS乙女さんの話で斬ってくれましたんで
自分的には痛快な気分で帰ってきました(笑)
すごい気が合いそうです。また楽しみが増えました・・・

「歴史は過去の政治であり、政治は現代の歴史である」
レジュメの一番最初に書かれていました。
震災復興にしても後藤新平のことがよく語られますが、正しい歴史認識と解釈が
今の時代にも十分活かされるはずだし、大事な事と思います!
Commented by えけえけ(adhebe.zkiue.) at 2018-01-02 08:26 x
物凄く遅い反応で申し訳ごさいません。
山県についてぐぐっていて、ごちらのブログにやって参りました。
山県に関しては司馬さんはかなり貶してますね。「翔ぶが如く」では「この僧院の陰謀家のように陰鬱で無口で、異常に権力と金銭のすきな(後略)」とか「日本に貴族を作って(明治十七年の華族令発布の事)維新を逆行せしめ、天皇を皇帝(「ツアーリ」とルビ)のごとく荘厳し、軍隊を天皇の私兵であるかのごとき存在にし(明治十五年の軍人勅諭)、明治憲法を事実上破壊するにいたるのは山県であった」とか、他にも沢山お書きになってますが、長くなるので割愛します。
まあ私もおおかた当たっていると信じていますけど。

それと、「あのS乙女さんの話で斬ってくれましたんで」とありますが、もし差し支え無ければお教え頂け無いでしょうか。「S乙女さんの話で司馬さんを斬った」のか「S乙女さんの話自体を斬った」のか両方受け取れます。私から見れば司馬さんよりS乙女さんの方が、ずっと出鱈目が多い気がするのですが…。

突然、コメント致しまして、ご無礼申し上げました。ご容赦頂きたく存じます。
Commented by enokama at 2018-01-09 20:46
コメントありがとうございます。
この時の内容はだいぶ前なんで、レジュメもどこに行ったのかわからないので正直忘れかけているんですが、なぜ伏字にしたのか今となればこれもわからないんですが、かなり早乙女貢の批判をされて僕も大いに同意したものであります。

山県に関しては黒田だったり板垣だったり、伊藤博文の評伝等も読んでみても「どの部分が人より優れている」「なぜ強大な権力を握ったのか」ってのは今だによくわかりません。悪名高い人物でも調べたら何かしらいい面も出てくるのですが、山県に関しては皆無です。ある意味不思議な人物です。
Commented by enokama at 2018-01-09 20:47
あと、山県よりも伊藤が不慮のできごとですが早く亡くなったことも日本にとって不幸な面もあったと思います。
by enokama | 2012-03-20 23:08 | 歴史全般 | Comments(3)