エノカマの旅の途中

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「龍馬伝」第三十一回~五卿と薩摩の関係

日曜日は大阪龍馬会(→HP)で
歴史作家の桐野作人さん(→ブログ)の講演に行ってきました。
一応「龍馬暗殺」の題でしたが、最近また「西郷黒幕」「薩摩説」やら言う輩が増えてるんで
それらの説を否定するってことで、主に薩摩の大政奉還を巡る考察が中心でした!
現存する当時の人物や藩などの文書を、丹念に調べられた実証資料に基づく講演は大変納得の行くもので
その後の二次会では直接質問したり、信長や戦国の話もしていただいたり、とても楽しい時間を過ごせました
・・・ありがとうございました!

でも本当にくだらない、龍馬本がまだあるんです。
朝日新聞?だったかな「龍馬の虚実」とか言うの・・・最悪。
ちゃんと自分で、国会図書館で資料集めて書けっていうの。
老舗の「歴史街道」は相変わらず、龍馬関連は童門の使い古したネタばっかりだし。


今回の龍馬伝はいよいよ中岡慎太郎の登場でした。
上記の講演に行ってましたので、録画して見たんですが
基本的に「龍馬が長崎で薩長同盟をひらめき、関係者を全部説得する」ってことで
脚本が書かれているようですが、それにしてもドラマとしても、面白くもなんともない話だね。
じっくり見られなくって飛ばしまくり(苦笑)

またネットで、いろいろ「龍馬伝感想」で見させていただいたんですが
その感想自体が減ってるし(面白くないのを書くのもいやだろうし)
その中で書いてる人は「面白いのになんで視聴率が悪いんだろう」ってなってるわけ・・・
「半平太ひどい、以蔵君かわいそう」「龍馬だけが日本の事を考えてるのね」
「操練所の仲間を思いやるスピーチしびれたわ」「横井小楠は人の命をそんなに粗末にするの」
こう感想書く人だったら、しっかり製作側でも意図した層を掴めてるんだろうけど
従来の重厚な大河をイメージする人だったら、こんなことでは納得はできないでしょう・・・

また前半の龍馬はまだ「成長途上?」ってことで
あっち行ったりこっち行ったりでもいいんだろうけど、一方の雄・武市半平太は一応
順序立てて年号通り進んでいたから、進行に安心感?ってのがあったように思う。
それが長崎になって、なんか一杯ごちゃごちゃに人出して
年号も出ないし(苦笑)
「薩長同盟」なんかは、特にしっかり書くポイントだろうに・・・重みも何にもないし
どれがどうなんか、さっぱり難解な話になっているし、僕でも見てて疲れるんだ。
ライトなファンもこれで離れるでしょう。
それにこの大河に合わせて「龍馬本」がたくさん出てて、多くの人が買ってるだろうし
大筋のそれぞれの龍馬像もあると思うんだ。
でも、そっから見ても「史実と違う」「思ってた龍馬と違う」ってことで、敬遠してしまう・・・
それで全体の数字もどんどん下がる・・・
見られるのは「龍馬かぶれ」の人と、長州の人物がどう出てくるか見たい人になってくるでしょう。
西郷とか薩摩の扱いも酷いわな・・・



大宰府・延寿王院に五卿がいて、そこに慎太郎がいました。
五卿は長州にいたのに、どんな経緯で大宰府に来たの?
五卿は、なぜ高杉が保護してるの?
慎太郎はなぜ、ここにいるの?
説明がないから、どういう状況かわからないよね・・・
陸奥の説得で?話はまとまります。

(A)
幕府の「第一次征長」を戦うことなく納めようとした、総督・徳川慶勝と参謀・西郷吉之助で長州に出した条件
「責任者の処刑」「山口城の破却」と共に「五卿の第三国への動座」があった。
長州の尊攘派や身を寄せた脱藩浪士と、そのシンボルとしての五卿の切り離しにはかなりの反発・困難
があったが「長州救済」に積極的だった福岡藩や、その藩主が島津の出だった関係で
西郷らは積極的に関与する。
そして、その意を身を挺して長州の沸騰する諸隊士に、説得した中に中岡慎太郎がいた。
その後、幕府の嫌疑や俗論派の反発があり、福岡藩は浮き足だつが、そう言った動きを封じ込め
(大久保一蔵も関与している)五卿を守り、大宰府に送り届けたのが薩摩藩。
だからドラマのように一悶着なく、五卿らに薩摩の誠意は十分伝わっており
史実のように龍馬が延寿王院で「薩長同盟」を説得したことも、それほど困難ではなかったはずである。

高杉は五卿動座には真向から反対していたが、途中で割り切って認めたようなところもある。
逆に「五卿動座」と「征長軍解兵」の決定の報を聞いて、有名な「功山寺挙兵」に踏み切った。
理由は「解兵」による外部からの圧力回避。
「五卿動座」により、もし失敗になっても累を及ぼす事がなくなったため。
また「五卿動座」を実力で阻止しようとする勢力を、俗論党打倒に向けさすことにより散らすため。
決起の時期を読んでいたのである。
慎太郎は三条が土佐と所縁が深いし、脱藩士のこともあって五卿に追従したのでしょう!


本編の感想に戻って
慎太郎は薩摩に飛んで普通に西郷と交渉します。
このツーショットはよかったですよね。。。
よく「慎太郎と龍馬は相棒」って思う人もいるようですが
脱藩してしばらくの高杉とのコンビも(あまり知られてないけど)よかったし
暗殺までは、龍馬よりもむしろ西郷さんと思想的な同志・行動で、こちらの方が相棒って感じが
僕はするんですよ!
それにしてもこの設定は?
それまでに西郷さんとは顔なじみだったのでしょうか?
薩摩はなんで、長州を憎んでるんでしょう?

(A)
上記の「五卿動座」の動きで、お互いに信頼関係を築きました!
薩摩が長州を恨む設定は「龍馬が困難に立ち向かった」と強調したいのでしょう・・・


下関には西郷はやってきませんでした。
幕府の隠密のせい?このスタッフのことだから「こんな説もあった」っていうかもしれないけど
どうなんでしょう?
今回の慎太郎は上川さんだからさすがにいいけど、役的な印象は全然ないよね。
最後は「なんでじゃ~」って演出でカバーしてくれたけど、どんな人かわからないでしょう?

(A)
実際は当初、土方久元と慎太郎で動いたことは知られています。
「まったく確証がない。勇み足」ってことはなく、五卿の内諾はあったと思われるし
京都に五卿の命で入った時も、薩摩・吉井幸輔らと共に行動していて
「再征長阻止」に向けた薩摩の動きを見、下関での桂と西郷の会見の構想は薩摩藩士らの
賛同も得た上での行動(土方の日記による。大久保も勧めたと言う)だった。
そして下関に入った土方は、ちょうど入ってきた龍馬と共に桂を説き
大宰府に帰った土方の代わりに龍馬が待つ構図ができた。

慎太郎は薩摩から西郷と共に長州に向かうが、途中に寄港した佐賀関(大分県)で京の大久保からの
「至急、上洛」の伝言を聞き、下関に寄らず直行を決意する。
そして、慎太郎はやむなく報告のため単身、漁船を借り下関に入ったとされる。
実際のところはどうだったんでしょうか?


さて、残念ながら慎太郎の反響は少なかったように思います(キャストは西郷より後ろでびっくりしたけど)
脚本も、おそらく陸奥が薩摩に行くところを変えたようにも思うし(当初は慎太郎出演の設定がなかったので)
雑すぎて、印象に残りにくかったんじゃないでしょうか?
う~ん、今後はどういう設定になるんでしょう。
意外に龍馬と直接絡むってのも少ないですしね・・・
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by enokama | 2010-08-03 23:55 | ドラマ感想 | Comments(0)