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エノカマの旅の途中

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名将の決断・中岡慎太郎~童門氏は信用しないように

まず、今回の「龍馬伝」第3回の感想は改めて書きません。
正直3行ほどになってしまうので・・・
龍馬と弥太郎の熱い思いって伝わってはくるんですけど、まるまる1回使うほどでもと思うんです。
1回目・2回目でだいたいの二人の人物像はわかったんで、そこにやはり次に起こる事項を重ねて行く方向
でいいんではないかと。
完全フィクションの段階だし好きに書けるからいいけど、ちょっと今回はリピートみたいでパンチが足らない。
これだったら「武市先生と愉快な仲間たち」で、もう1回やった方がよかったんとちゃうかな。。。
純粋にドラマとして見てる人には受け入れられるのかな?

(関連記事・板垣退助→こちら
名将の決断シリーズ・新年2号に、いよいよ「中岡慎太郎」登場です!!
名将の決断・中岡慎太郎~童門氏は信用しないように_f0010195_0251386.jpg

まず本屋に行っても、図書館に行っても中々お目にかかることできない慎太郎本が多い中で
よく生誕から脱藩・各地の周旋活動まで、事細かに書いてあるなとほんと感心しました。
だから、興味あるけど本が手に入らないって思ってた人は、迷わず買ってもらいたいです!

4ページに関係人物一覧があるんだけど「維新三傑」「右大臣・左大臣」「自由民権家」
これを見たら、確かに明治新政府の枠組みを作った人物ってのが、わかっていただけると思います!
そしてうれしいのが筑前勤王党の早川勇(福岡藩のカテゴリで記事にしてます)
一番早くから「薩長提携」に動いてたのは福岡藩なんですよ・・・
ほんと「龍馬が成し遂げた」で済ます本が多い中(たま~に慎太郎は併記されますが)
福岡の月形洗蔵らの血が流れた事実をもっと知ってもらいたいです。そしてよく書いてくれました!
細かいところでは久坂玄瑞との松代(佐久間象山に会いに行った)行きのこと。
中沼塾や最後の暗殺時の岩倉への遺言。
12ページには、上洛4回を果たした慶応元年の慎太郎の足取りがあって圧巻です!
(童門氏の文は最後に紹介します)

もう一冊紹介
名将の決断・中岡慎太郎~童門氏は信用しないように_f0010195_15087.jpg

一応、中岡慎太郎の名が表紙にありますが、あくまで漫画ですんで内容的にはそれほどでも・・・
あまり表紙見ても内容がわかりにくいんですけど、戦国武将ネタは凄く充実していて見ごたえがあります!
そして一番見てほしいのが、21ページからの「新説 龍馬暗殺」です。
これは説得力ある確かな説だと思います。
また、慎太郎で集まることがあればコピーして持って行きます!
(過去記事参考→こちら





このシリーズ、ずっと先生の文あるんだけどジャンルが幅広いこともあって
ほんまは「知らんやろ?」ってひどいし、わけわからん時が多いんです。
今回の中岡慎太郎にしたって、本にならない人物だからね。
龍馬は書いたら売れるねん。だから、持ち上げるように反面的な人物に書かざるを得ないって・・・
そんなのが見え見え。


「龍馬は話し合いによって(共和)慎太郎は行動(武力)によって。」

いや、はなっから決め付けられてもね。いきなり戦争ばっかりするんですか?
「大政奉還」は慎太郎が先に動いてた。そして話し合いをしようと四候と公卿と慶喜で会議させたんだ。
慶喜は二回目の征長で負けてた、当然責任もある。
だからみんな長州を復権させて、幕府も雄藩も同じ土俵で新しい枠組みを作ろうと思ってた。
(もちろん主導権はお互いに探ってたけど)
けど譲らない。それで幕府の権限で懸案の「神戸開港」も押し切ってしまった。
そしたら次の段階は当然考える。島津久光も武力行使容認した、慎太郎は乾退助を動かして
土佐も討幕の一翼を担わそうとする(かねての武市半平太の薩長土構想ともつながる)
龍馬は逆に山内容堂や後藤にむしろ同調した方。容堂はぎりぎりまで戦争はしたくなかった。
でも龍馬は武備の必要も当然感じていた。そして、長崎で佐佐木三四郎と相談してライフルを土佐
に送っている。だから、簡単に分けられるのもおかしい。


「南北戦争に異常な関心を持って、同国人でも血を見なければ目的は達成できない(戦争の効用)」

これは長州ではよく話されていた事。
南北戦争のことは、松下村塾でも吉田松陰先生が教えていたこと。
戦争の効用は「薩英戦争」後の薩・英の接近。下関攘夷戦後の長州と外国との接近で現れている。
戊辰戦争でも黒田清隆あたりは戦争が終わったら、もう敗戦国へのこだわりがないって、平気で
人材登用したでしょう。そのあたりの事と取ってほしい・・
「血を見なければ」って記述は慎太郎本では見た事ないんですがね?
悪意ありますか?


「龍馬の唱える平和改革よりも武力行使の方が志士たちには乗りやすい」

志士の糾合って龍馬はしましたか?海援隊は異質だし思想は自由でしょう。
薩長同盟で長州の過激な隊長らを説得したのは土方久元や慎太郎の方です。
龍馬はそっから自分の社中で経済的な結びつきをさせた。
平和改革ってのも、むしろ幕閣の方に働きかけたことでしょう。


「龍馬の論は大政奉還で実行されたが、王政復古によって白紙に戻される。以降は慎太郎の
説で世の中は動いていく」

たぶん、前の板垣退助で触れたんですがここまで来たら、訳わかりませんよ。


まあ、この人にとっては龍馬さえ持ち上げてたらそれでいいんでしょうね・・・
あとこの人は一応事実に基づいたフィクション作家であって、歴史の専門家ではないです。
龍馬暗殺が西郷って言い切るのは、専門の研究家からしたら「バカげた論」にしかならないのが事実。
だから専門家顔で、もうその手の番組には出て欲しくない。
Commented by わだん at 2010-01-18 20:22 x
「名将の決断」は買わねば・・・!!

「このとき義・・・」は表紙が福山龍馬っていうだけでアウトやわ~。

Commented by enokama at 2010-01-18 22:36
>わだんさん
ぜひ買うてください!
敗者になってますが、大塩平八郎の記事も実に読み応えありました。
Commented by ゆずぽん at 2010-01-21 01:05 x
もちろん!買いました~~^^
こんな本ないでしょう!未だかつてなかった!
けれど、実はまだ読めていないです・・・時間的余裕が無くて。
この本は、じっくりと じっくりと静かに集中して読みたいので(笑
Commented by enokama at 2010-01-23 07:51
>ゆずぽんさん
ほんと、これだけ中岡慎太郎だけを書いた本って今までなかったでしょう!
ぜひ多くの人に知って欲しいですね。
by enokama | 2010-01-18 02:09 | 中岡慎太郎関連 | Comments(4)