中岡慎太郎の日記と書籍について
(適塾については金曜の記事に追記)
図書館で見たかったのは、中岡慎太郎の日記についてで
尾崎卓爾「中岡慎太郎」・宮地佐一郎「中岡慎太郎全集」と読んできました。
この2冊は、数少ない中岡慎太郎関連の伝記・小説ですが、それらの基本的な引用となる
中岡慎太郎の日記が収録してあるものです。
尾崎氏の著書は以前にも触れたことがあるのですが、一旦この時点で死んだとされる人物が
次の項目で出てきたり、暗殺時の慎太郎の見舞いに乾退助がいたり、細かい突っ込みどころは
多いのですが、大正15年の刊行でもあり地元古老の伝え聞きもあったりで、初の本格的な慎太郎の
伝記だったものです。
巻頭で慎太郎関連の史跡の写真、巻末に慎太郎の日記「海西雑記」「行行筆記」等の完全収録。
ちょっとびっくりしたのは、この「中之島図書館」蔵の書籍は、まだ昭和初期まで生きていた伯爵・
田中光顕の寄贈本だったようで、本人の直筆のサインが入っています!(ほんときれいな字です)
「中岡慎太郎全集」は1990年代の刊行で、実際にファンで持ってる方も多いようです。
(今はネットで捜したら、中古で4万以上してる・・・)
まだ新しいし、慎太郎以外でも佐佐木高行「保古飛呂比」「寺村左膳日記」「皆山集」と言った関連
文献が多数引用されています。
僕は日記を完全に読むのは初めてだったんですが
「ト一(愛人)来る 宿す」「入湯六度」(二日市温泉で1日6回、温泉に浸かった?)義兄、北川武平次の
上洛(慶応2年11月24日)などの私的なことから
岩倉との対面、西郷・吉井らとの工作、乾の上京後の小松・西郷らとの対面。
意外なところでは、宇和島藩家老・松根図書や水戸藩士の住谷寅之助・酒泉彦太郎と何度も会っていること。
「五卿動座」から「薩土盟約」まで、彼の性格も知れて、これは凄い史料だと思います。
また巻末の寄稿で、一坂太郎氏が福岡脱藩で同志によって粛清される中村円太、土佐脱藩で三田尻にて割腹した田所壮輔について、論文を書いているのも読み応えありました。
慎太郎については、この2冊と「ライフログ」に載せている4冊で、ほぼ知ることは出来たかと思います。
新たに「龍馬伝」にむけて何か出ないかなとは期待してるのですが、動きはないですね。
(出演自体があまり期待できないも知れないですが・・・)
関係者の方に聞いても研究している人がいるのかどうか?
執筆旺盛な一坂氏だったらいい題材と思うんですがね。
「龍馬暗殺」の議論は相変わらず盛んですけど(馬鹿な理論をまともに話す専門家も大概だが・・・
後藤や西郷を本当に知ってるのかと言いたい)
なぜ、数々の修羅場をくぐりぬけてきた両人が無防備な場所・態勢で一緒に殺されたのか(逆説に言うと
その場所が安全であると言う確証があった)
今回見た慎太郎の日記でも改めて感じたが、この人脈は凄すぎるの一言(ほとんど新政府の要人になってる)
なぜ、その慎太郎を「巻き添え」だけで片付けてしまうのか、また明治以降忘れ去られた存在になったのか・・・
中岡慎太郎については記事も(関連史跡もほとんど回った)たまってきたし、今回の日記も分析して
「龍馬伝」に出番が来るまでぐらいに、何回かに分けてまとめて行きたいと思っています。
(黒田清隆も書こうと調べてたんですが、その後にします・・・)
それまでに本を出す人はいるのかな?
山本一力さんが筆記中だと聞いておりますが。
慎太郎についても有名にしたい旨おっしゃっていたので期待
しております。
龍馬伝に期待できそうにないので、流行にも乗っかって一力
さんのも馬鹿売れして、慎太郎にもあらたにスポットが当た
ればうれしいんですけどねぇ。
大正十五年十二月中旬の日付のある寄贈本ですが、青山書院から出版されたのが大正十五年なので、尾崎から贈呈された本を寄贈したのでしょうか。
あるいは尾崎が出版に先立って光顕に題書を頼み、書のタイトルとし、挿入された白紙にサインしたのでしょうか。
光顕本人のの寄贈本とそのサインが見れるのは珍しいのでコピーをとっていますが、実は拝見したのは数年前で、そこまでは当時考えがいたっていませんでした。
新聞記事掲載にむけて 取材にきていた という情報を
いただきました。本当にうれしいのですが、いつになるのか?
龍馬伝に合わせて出版されるなら ぜひとも購入します^^
慎太郎全集も欲しくて、オークション探しますが
やっぱり4~5万して、未だ 待ち状態です(涙
山本一力さんですか!
ちょっと意外な気がしますが、名の知られた方ですし楽しみですね。
話変わりますが、安芸の岩崎弥太郎像やっと掃除されたんですね。
10年ぶりはちょっと(苦笑)
さすが、ご存知でしたか!
図書館で見つけた時、僕も思わず声を上げてしまいそうでした。
慎太郎と実際関わりの会った人物の自筆の思うと感慨深いです。
個人蔵だったらプレミアつくんじゃないですかね(勝や龍馬ほどじゃないでしょうが)
逆に図書館にあることで、我々の目に留まるんですね。
「中岡慎太郎全集」、いつの間にか高騰してしまいましたね。3~4年前は2万円台で買えたんですが。
中身は非常に充実していて、しかも面白いのでマツノ書店さんあたりが良心的価格で復刊してくれるといいですね。
尾崎卓爾さんの「中岡慎太郎」は今年マツノ書店さんで復刊するそうです。購入するかは検討中…(トンデモない価格だったらどうしよう・汗)。
山本一力さんの件は初耳でした!!
本当なら嬉し涙モノです。おお、やっとメジャー作家さんが中岡慎太郎という素材の魅力に気づいてくれたんですね。
来年くらいには読めるようになってほしいなあ。
こんばんは!いらっしゃいませ。。。
「中岡慎太郎全集」は3~4年前に買っててもよかったのですが
そのころは、慎太郎から飛んで「筑前勤王党」に興味を移してた
ころで、そちらを優先してしまいました(苦笑)
でも高騰する理屈もどうなんでしょうね?佐佐木高行の日記も
ほしいんですが、とんでもない価格になっています・・・
山本一力さんは、ほんと楽しみですね。
今までの郷土史家から、違った書き手となるので期待します!