幕末最強・庄内藩!
某古本屋でゲットしました!(新人物往来社。定価2000円・販売価格1200円)
「戊辰・・・」ってことで手にしたら、東北戦争とは言うものの内容は「庄内藩最強伝説」(笑)
むっちゃうれしいです!!
一般的に戊辰を東北から書いている書籍は、新政府軍を鬼畜のように一方的に書くのも多いので、なかなか買うまでには至らないのですが
世良修蔵にしたって、大山綱良にしたって武学芸でしっかり教えを受け、それまでの戊辰の実戦や折衝での実績はあるので
東北戊辰戦争で、結果的に会津などは中世的な個人格闘中心にとどまり
集団的火器戦闘に対応できたのが唯一、庄内藩だったこと。
元来、武芸にも熱心で(譜代中の譜代と言う事情もある)戊辰よりも60年遡る年代に
旧式の火縄銃に変え、新式の砲術を導入。
その後も高島秋帆、江川太郎左衛門や勝海舟といった門下に藩士を派遣し、西洋知識・軍事知識を学び
北海道西岸警備(こちらの体験で松本十郎は維新後、北海道開拓に従事することとなる)
安政の品川台場警備・新徴組預かりの上での江戸警備など、実戦を交えた戦闘技術の向上が図られました。
その上で「士民一体」となった挙藩体制とは幕末期には、まず見られなかったことで
「民兵」の微兵教練にも藩は力を入れ、領民もそれに応えました。
それは今の藩政を維持したいと言う「祖国防衛」でもあり、新政府軍は苦戦を強いられました。
一方、庄内の武士道もすばらしいもので、軍令・規則には次のようなものがありました。
支藩・松山藩の家老で、維新後も名を残した松森胤保(→ 記事)が書きのこしたものです。
・身分の上下を問わず、一人一日玄米一升の割合で支給。兵食は握り飯に漬物、生味噌または梅干の類
を宿主に出させ、必ず実費を支払うこと
・米は駐屯予定地の村役人に前もって頼み、その土地の時価で代金を支払うこと。
・夜具布団類はいっさい宿に求めず、陣中はすべて自分で炊飯するものと心得ること。宿はただ寝るだけ
のもので、時に炊き出しを請け負わせるまでで、ただし夏の気候のゆえ、蚊帳を借りるときは借り賃を
支払うこと。
・投降したものを嘲ったり、生け捕ったものを辱めてはならぬ。戦死した敵士卒の遺体はけっして無作法
に扱ってはならぬ。
・このたびの出兵は御家の一大事ゆえ、出陣先は乱暴狼藉は申すに及ばず、強奪がましい所行があっては
これまでの御威徳を汚し、天地に対して申し訳も立たず、また最後の勝利もおぼつかない。
各自困苦にたえて年来の恩沢に報いる時はこの時と奮発精励されたい。
金払いもしっかりして、乱暴狼藉を働かない。
捕虜に対する惨い仕打ちも戊辰戦争では多く聞かれますが、それは当然皆無で
占領した矢島・新庄と言った民政でも、戦争による疲弊に対する租税半減と言った施策を行ってます。
また、庄内軍は勝利の後、戦死した敵兵も律儀に、しっかりお寺に金を払って丁重に埋葬しています。
敵兵の遺体の収容を禁じた例も多くあった時期に、対照的な行動で、すごいことだとも言えます。
書では主に庄内二番隊隊長「鬼玄蕃」こと酒井玄蕃を中心に戦跡を語ってます。
中でも新政府軍に加わったものの領地を戦場にされ、また新政府軍の先鋒で盾になったような戦いで
なかなかいい本でした!
坂本先生の本には七星旗の征くところもありますが、
私はこちらの戊辰東北~の方が好きですvv
玄蕃さまを知りたいなら断然お薦めしたい本のひとつです☆
まあ、知ってることの全否定に近いものもありますからね。
このことが公になっても、高知の観光にはあきらかにマイナスになる
から陽の目は見ないのでしょうね・・・
慎太郎が巻き添えだけってのは、僕はずっと信用してませんでしたけど。
話替わりますが「戊辰戦争」って題で、平尾道雄さんが書いておられる本があります。
主に「土佐迅衝隊」の板垣らの動きを中心とした物なので、入門書
として、入りやすいと思います!
久しぶりにネットじゃなくって、古本屋で探し出せたってのもうれしさ倍増です(笑)
郡さんの著書は図書館にもよくあるんで、読んだんですが偏りもあってきついって
言うか・・・
この坂本さんの本は「矢島戦争」や、松本十郎さんの動き、阿部千万太さん
の話もよかったです。
これ読んだら「庄内最高!最強」って思ってしまいますね(笑)
僕は庄内は「天保のお座り騒動」から入ったんですが、これでだいぶ揃いました!
後は「ワッパ騒動」です(笑)
まあ、その本来の目的が行われたのも幕末では珍しかったのでは・・・
あとは秋田の財政と海防あたりの政策も知っておかないと、あまり僕も語ることはできませんが・・・
この度、日本文学館より小説「渋太夫自害」を67歳で初めて書きました。
全国の書店で購入できますが、無名の新人ですので取り寄せになると思います。
内容は奥羽鎮撫総督「九条道孝」が海路より仙台に入ってから会津降伏までの約半年間、
北は「きみまち坂の戦い」から、南は「旗巻峠の戦い」、「世良修蔵事件・秋田川反事件」、
これらのかかわりなどを、パノラマ的にとらえたつもりです。
それと幕末の桜田家と「養賢堂・北辰一刀流・清河八郎・坂本龍馬」のかかわりや、
山南敬助と桜田家の関係も書いております。(販売は10月からです)