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エノカマの旅の途中

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神戸開港150年~「開国への潮流」

慶応三年から150年と言うことで(個人的には「大政奉還」と言うものが最重要とは思っていないので使いたくない)各所でいろんなイベントが行われていますが、開港150年でもある神戸でも神戸市立博物館を中心に特別展示も行われているようです。
昨年から書いていた原稿でだいぶ調べてたんですが、神戸開港(延期も含めた)に向けた諸外国との幕府の交渉、ある意味この開港を成し遂げたとも言える徳川慶喜の決断と言うものは幕末史における慶応期で主軸の流れと言っても過言ではないと思います。
今年はブラタモリの神戸編も三月にあったし、この神戸市博物館の特別展示も楽しみにしていました。
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神戸市立博物館の周辺は旧居留地で当時の区画もよく残っている
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神戸(運上所)税関跡
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あまり目立たない場所にあるんだけど、有名な神戸海軍操練所の碑(こちらより少し西の海寄り)よりも大事じゃないのかなと個人的には思っております。


展示の方はプチャーチンの肖像画が戸田からきてたり、韮山の江川文庫からまとまった砲術関連、長崎等の海防関連は佐賀からと各所から興味深いものが出されていました(詳しいと目録→こちら
今回は文久遣欧使節団絡みが多くって品川歴史館この時に行ってます。記事には詳しくしてないけど本当に展示が良くって東京に行かれる方にはお勧めの歴史館)、またその遣欧使節だった旗本京極高朗の出身地だった但馬(豊岡藩京極家)からは最近発見された写真を含めた従者の遣欧記録がありました。
一地方から幕末の重要史料が出てくるんだからね。
ただ今回あった講演でもお聞きましたが、各地の旧家には膨大なまだ解明されていない史料が残っているものの、その保管維持や調査には非常な手間がかかっていて「散逸」「破棄」されるような危機感ってのも持っていられるそうです。
本当にこういったところにしっかりと研究予算を使ってほしいもんですがね。

8月11日の学芸員の高久さんの講演では、19世紀の兵庫は北前船から尾州廻船と言った(江戸の物産を大坂で商く)各地へのハブ港であるとともに、廻船集団が修船・造船を行い、船具の補給基地と言った場所であった。
そして幕末となり、日本でも蒸気船が増えて将軍の上洛も行われるようになって兵庫は「将軍の港」として航路の確保、一連の台場群の整備、また知らなかったことでは「蒸気船の燃料確保」として、背後地での石炭算出も図られたと言う(ただし質が悪く、あげくは九州産のものと混ぜて売ろうとしたとか)

by enokama | 2017-09-16 17:38 | 神戸・阪神間 | Comments(0)