映画「KANO」
学校の名を聞いたら、オールドファンの方なら「呉昌征」と言う野球殿堂入りもした日本プロ野球創生期の
名選手の出身校でも知られている。
アジアで日本絡みの歴史映画と言ったら、例のあの国とあの国あたりだったら「日本人は野蛮な残忍な民族」
とされることも多いようだけども、さすがに親日の台湾映画なので賞賛されている部分が多いんですよね。
まあ、これも「日本を悪く書いたら観客が入る」のと「日本をよく書いたら観客が入る」その国の体質の違い。
日本の某A新聞だったら、かつては「大政翼賛」で、現代ではその時代の日本(自分たちの主張していたこと)
を散々こき下ろして、否定批判した上ででの「平和主義」でも、不祥事があってもそれなりに読者は残っている。
一方で「嫌韓・嫌中本」が出される風潮はよくないとされることも、ネット上でもよく聞かれることだが
「売れなかったら出しませんがな」・・・それだけのこと。
「読まれなかったら、聞かれなかったら」意味がないものだし、言論・出版の自由があることは結構なこと
ではないか。
ただ歴史を研究するものからすれば、その出版物等が売れてるからと言って「正しい史実を伝えている」
とは言えず、歴史の再検証をしようとすれば「歴史修正主義」と批判する人物の歴史観が合っているとは
決して限らないから、なかなか難しいものであります。
てなわけで台湾では大ヒットしたものの、台湾の「親中派」と言われる勢力からは苦い顔をされたと言うし
日本でも「第二次大戦前の日本国家を美化する」ことに否定的な勢力がいるので(噂だけど?)
この「KANO」も、おおよそ一つのスクリーンで「1週間」だけの上映予定の所が多いと言う。
だから平日の昼でも思ったより、観客は多かったです。。。
台湾が日本統治下となって、それは決して「圧政」とは限らずに「インフラ」の整備を行って
国民生活の向上につながった面もあったことは韓国や満州でも見られたこと。
そして野球も日本から伝えられて、まだひよっこの「嘉義農林」のナインに名門・松山商出身の監督
(永瀬正敏)が鍛えて行く。
まずは礼儀からで、グラウンドに入る時のナインはみんな帽子を取って「お辞儀」をするシーンが印象に
残ったし、日本人だけでなく、現地台湾人、中国大陸から渡ってきた「三民族」それじれの良さを交えた
チームを作る。
チームカラーからは、とにかく「一生懸命で泥臭い忠実な野球」ながらも、頭を使う面も見られました。
そして台湾大会での快進撃と、日本が総力を挙げる「烏山頭ダムと八田與一」の建設の歩みがリンクされて
進みます(八田自身も台湾人と日本人を対等に扱ったとして有名)
この役は大沢たかおです!
甲子園出場ではその「泥臭さ」(一生懸命さ)と快進撃で、かなり当時は旋風を起こして行ったと言う。
「多民族も混ざっているのか」と言う批判も、最後は封じられて感動を呼んだとか・・・
甲子園のシーンは「実際にロケしたらよかったんじゃ」とも思ったけど、また今とは違っていただろうし
あれがあれでよかったかな。
主役クラスとナインの日本人は日本人俳優だったけど、他のナインは台湾で募集したらしい。
だから「日本名」でも現地民族だったりするから(脚本は9割方、日本語)たどたどしさのある日本語の
セリフは雰囲気出てた思う。
脚本と演出は「感覚が違うな」とも思ったけど、3時間を超える作品での「冗長さ」は感じなく、楽しめました。
「これはフィクションだろ」と思ったシーンもくぐってみたら、結構史実に忠実な面も多いようですね。
あと往年のロッテオリオンズの名ショート水上善雄氏が意外な形で出演しております。
先にも書きましたが「公開期間」がわずかになるようなので、行けれる方はお早めに。。。