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エノカマの旅の途中

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京都大学にある長州志士の遺墨

「中岡慎太郎全集」(宮地佐一郎編)と言う、慎太郎の日記や手紙を完全網羅し
現存する手紙はほぼ複写し、各研究者の論文が入った資料集があります。
以前にも少し触れましたが、もう絶版状態であって、中古の値段も跳ね上がっている貴重本で
僕はもっぱら、大きい図書館で必要部分をコピーして、持っているのですが

その中でいくつか「京都大学附属図書館所蔵」の資料があって
どんな状態で保管されているんだろうと調べてたら
こんなデータベースが出てきました→こちら



実物を見るには、ちょっと複雑な手続きがあるようで
閲覧も平日に限られるようなので、なかなか難しいものもあるんですが
このデータベースだと、小さい画像ながらも雰囲気は掴めて、あらかじめ調べる事ができます。

この資料は、京都大学構内にある元々「尊攘堂」の資料で
長州の品川弥次郎が収集した、長州中心の維新志士の遺墨・志士の顕彰がされています。
正直、僕は品川って人の「長州閥」の中での、位置づけって言うのがどうもわからなくって
禁門の変ではどこでどうしていたのか知らないし、いろんな盟約の当事者でいたようでもないし
東北の戊辰戦争の参謀の座も蹴っているし、首相にもなっていないし(薩摩の松方正義で、なってる
んだからね)
でも、所郁太郎を顕彰したり、こちらの資料の面々を見ていると、しっかり伝えたいとの
思いは持っていた人なんでしょうね。。。

吉田松陰はもちろん(「二十一回孟子」の教材?やら、戦国武将の歴史書のようなものもあって
さすがに多彩だな)大村益次郎や、早くに亡くなった入江九一・久坂玄瑞の書簡がたくさんあるし
他藩でも河上彦斎、大山格之助(綱良)、黒田了介(清隆)、北垣晋太郎→久坂宛て
と言った多彩な収蔵品があって、ちょっと凄いんじゃないでしょうか・・・

中岡慎太郎(もちろん、石川清之助名義)は品川宛ての書簡と、師・間崎哲馬の絶命詩がありました。
「全集」には、水墨画のような絵もあったように思うんですが、どうなんでしょうか?

書簡はやっぱり「崩し字」は勉強せなあかんのかな…とも思ってるんですが
世良修蔵が書いた書簡で、はっきり読めるものがあって「英国文典 三部」
「英国文範 三部」って記述はちょっと気になりました。
おそらく品川との間で貸し借りが、あったんだろうなと思うんですが
このころ、どう言ったことを長州では知りたがっていたのかってとこで興味を引くところです。

希望としては、このあたりの遺墨を一同に展示するような企画があってもいいように思います。
(過去にあったのかもしれませんけど)
なかなか、逸品も多いので「データベース」ぜひのぞいて見てください!
by enokama | 2011-03-09 23:31 | 長州藩 | Comments(0)