人気ブログランキング | 話題のタグを見る

エノカマの旅の途中

enokama.exblog.jp

旅と歴史と競馬のお話をします

ブログトップ

「龍馬伝」第八回と土佐留学事情

今回は江戸に出て、安積艮斎門下に学ぶ弥太郎が父の奇禍を聞き、救おうと急遽帰国するよく知られた立身出生のエピソードの一つなんですが
30日かかる所を16日で帰ったとか(実際に伝記に書いてあろのかな?)
安芸奉行所への落書きの話もしっかり盛り込まれていて、リアルに楽しめました!
鈍刀が鞘から出せないと言うベタなネタ(笑)があって、斬りに行くって言う弥太郎にやたら冷静な説得の龍馬・・・しまいには刀、売ってましたけどね。
もうこれからは学問に生きるって言う表れでしょうか。

そして吉田東洋との対面。
おそらく東洋が映像化されるって今回がほぼ初めてでしょうけどほんと期待にたがわず、イメージ通りでうれしいです!
「わしは天才じゃきに、そんな人間は何をしてもいいんじゃ・・・」
それでこそ(笑)容堂公も東洋の弟子ですからね、怖いもんないんや。。。
ここでは下士だから相手にしなかったように見えますが、目上の者に対しても厳しく臨む人物でたとえ門閥家であっても無知や能力のない者を憎み、のちの参政時には下士の登用も認める実力重視の思い切った人事を行ってます。
しかし、この性格であっての改革者とも言えますが、上からも下からも恨みを買うこととなり非業の死を遂げることとなるのです。
証拠に弥太郎には「おんしは何を持っちゅう?何も持ってないやつはだまってるしかない・・・」
突き放してるようだけど「何かを持っている自信があったら行動を起こせる」って示唆してるとも取れる。
てっきり弥太郎は「学問だけは誰にも負けません」って言うかなとも思ったんですがね。
まあ、そのあたりは次の弟子入りのシーンにとってあるんでしょう!

今回は一応安芸が舞台で、安芸郡奉行所も現在の安芸市じゃなくって、さらに遠い東の田野になるんですね。
この一画には田野学館(学校)もできて、武市半平太も出張して剣術を教えることもあり中岡慎太郎も学んでいた場所です。
今でも高知城下から車で1時間ぐらいかかるところで、距離も50キロぐらい離れてる。
当時は歩くしかないのに、龍馬も饅頭屋(あちこち出没しちゅう!)も気軽に高知城下からよく来られるな(笑)
後免ぐらいだったらわかるけど(それでも歩いて10キロあるから、大変だろう)
一応、突っ込んでおきます(笑)



半平太が江戸に剣術修行に出発しました。
安政三年(1856)7月から翌4年9月までで、すでに藩随一の名だたる剣客・道場主として知られていた半平太は「臨時御用」藩命と言うものの、内実は「御用間を以剣術修行」と言うことで桃井春蔵門へ藩費でほぼ修行に専念できる厚遇にありました。
平井収二郎が同行したという文献は僕は持っていません・・・
武市以外にも師事した人がいたかも知れませんが、調べきれていません。
またご存知の方は教えてください。

また、のちの勤王党メンバーの主要メンバーもぼぼ江戸留学経験ありってのもある意味、驚愕する事実ですね。
実力さえ付けられれば(豪農富商や庄屋層は下級武士よりも金を持っていたこともあるし、時間の融通もきく)チャンスはそれなりにあったと言うことです。

田野出身の「野根山二十三士決起」で命を落とした清岡道之助は「独眼流」と言われているように左眼が見えず、学問で身をたてようとしました。
始め、岡本寧浦→江戸に出て安積艮斎と並ぶ学者・佐藤一斎の門で学び土佐勤王党の東部・安芸地区の首領となります。
安積艮斎塾には、中岡慎太郎・吉村虎太郎の師で神童と呼ばれた間崎哲馬もいて清河八郎・山岡鉄舟との交流や、海外事情にも精通し開明派の松平春嶽と面会したり
吉田東洋にも学問上の交流がありました。
幅広い教養は勤王党の支柱とも言える存在となりました。

大石弥太郎は土佐勤王党結成時の盟約の起草で知られ
土佐中部・香美地区の首領となりますが、藩命で勝海舟門下で洋学を学んだ経験があり年齢的には半平太より一回り以上も上で、信頼も厚かった幡多地区の重鎮・樋口真吉も安積艮斎や佐久間象山(一緒に佐佐木三四郎(高行)も入門しようとしたが、人格を疑い入らなかった)を始め多くの師に学んでいます。
また河野万寿弥(敏鎌)、池内蔵太は安井息軒塾に学んだ秀才です。

上士では、谷守部(干城)は土佐南学の流れを汲む学者の系統で従来から「尊皇思想」が高く、それに近い佐佐木三四郎とともに、早くから勤王党寄りの行動を起こしていました!
板垣退助は間崎哲馬の影響も受けていたと言い、過激な尊攘論者でした。
その学んだ学問によっても上士・下士(のちに言われるほどの差別は大きくなかったと思う)問わず、のちの藩政での派閥形成・対立につながって行くのですね。。。
by enokama | 2010-02-22 23:39 | ドラマ感想 | Comments(0)