エノカマの旅の途中

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鞆の浦判決について思うこと

鞆レポート(その1その2その3

今年の5月に訪れた鞆の浦ですが、架橋の計画も推進されそうなので今年中に行っておいた方がいい
とお聞きしてのものでした。
レポにも書きましたが「この環境は絶対壊してはならない」と「住んでいる住民の方は不便を強いられている」
どちらも感じたし、大変難しい問題だなとの思いで帰ってきました。。。

裁判になっているとは知りませんでしたが、一般にこの手の裁判で反対派が勝つってのは今まで
なかったことで、ある意味画期的とも言えます。
しかし「国民の財産」と言うのは過言ではないと思うんですが、地元の生活のかかっている人達の気持ちを
汲んだ上で今後の方針は考えないといけないと思います。
宮崎駿さんもどうしても残すと言う思いがあれば、最終的には住むぐらいの覚悟もしたらいいんだ。


とりあえずはこの景観は、しばらくは裁判でのことなので残るでしょう。
地元に住んでいる人以外の方は「よかった」と思う人が多いでしょう。。。
そしてその「絶対残したい」と思って、まだ行っていない人は一人でも多く現地に訪ねて感じてほしいです。
ただし記事にもありますが、この景観は住民の生活が密接に身近にあってのものです。
道も狭いですし、マナーを守って観光してください。
そして実際に行って感じたことをどんどん発信してください
それが「国民の財産」として守ることにつながるのです!


毎日新聞・社説
万葉集にも詠まれた瀬戸内海の景勝地、鞆(とも)の浦(広島県福山市)の埋め立て・架橋計画について
広島地裁が原告住民の訴えを認め、県知事に埋め立て免許を出さないよう命じた。
「景観利益の保護」を理由に公共事業を着工前に差し止めた初めての判決だ。

ひとたび景観が破壊されれば「これを復元することは不可能」と判断した。
「動き出したら止まらない」とされてきた開発行政のあり方に一石を投じるものとして評価したい。

古くから「潮待ちの港」として栄え、江戸時代に寄港した朝鮮通信使が「日本で最も美しい」とたたえた
港町である。アニメ映画「崖の上のポニョ」の構想が練られたところ、と言った方が若い人には
イメージしやすいだろう。

階段状になった船着き場の雁木(がんぎ)、常夜燈、波止、船の修理をした焚場(たでば)、船番所という
近世の港を特徴づける五つの要素すべてが残る日本で唯一の港だ。
世界遺産の選定に影響力を持つとされるユネスコの諮問機関が「国際的な文化遺産の宝庫」と折り紙を
付けたのも当然だ。

しかし、一歩足を踏み入れれば厳しい現実がある。古い町並みの宿命として道路は狭く、車が軒先を
かすめるように通る。交通混雑は慢性的だ。いざというときに救急車が間に合うかどうか、不安を抱く
住民も多い。こんな不便を嫌ってか、人口の減少が続き、高齢化率も高い。

そこで浮上したのが、湾を横切るバイパス道路をつくり通過交通をさばく計画だ。港の一部も埋め立て
駐車場やフェリーふ頭も設けて観光振興を図る。これに対し、「貴重な景観が損なわれる」と
反対派住民が訴えたのが今回の裁判だった。

推進派の住民も景観の価値自体は認めている。原告も、町の現状を何とかしなければとの思いはある。
利便性と景観のどこにバランスを置くのか、苦渋の選択を迫られていた。計画から20年以上の論争を経て
計画推進を公約に掲げた現市長が04年に初当選。架橋に大きくかじが切られたが、判決は鞆の浦の
景観を「国民の財産ともいうべき公益」と認め、この流れにストップをかけたのである。

柳井(山口)、竹原(広島)、下津井(岡山)など、瀬戸内海には昔ながらの風情を残す港町がいくつもある。
多くは鞆の浦と同様の悩みを抱えている。一方、こうした町並みを保存し、ネットワーク化する動きもある。
不便でも景観を守ることが観光価値を高め、ひいては活性化につながるとの指摘もある。

町づくりの主人公はあくまで住民である。景観か利便性かの二項対立に終わらせず、判決を契機とし
新しい発想で議論を深めてほしい。


中国新聞
福山市鞆町の鞆港埋め立て・架橋計画に反対する住民たちが埋め立て免許の差し止めを求めた
訴訟の判決が1日、広島地裁であった。能勢顕男裁判長は、鞆の浦の景観利益を原告の大半を含む
住民に認め、「国民の財産」と言及。鞆架橋計画が公有水面埋立法に反するとして、広島県知事に
免許の交付をしないよう言い渡した。
歴史的な町並みがある地域で暮らす住民に景観利益があると認め、その保護を理由に公共事業の
差し止めを命じたのは全国で初めて。国土交通省の埋め立て認可審査を含め、鞆架橋計画の行方に
重大な影響を与えるのは必至の情勢になった。

判決は、江戸時代の港湾施設や商家などが残る町並みと瀬戸内海の島々などに囲まれた鞆の浦の
景観が、歴史的、文化的価値がある特別なものであると指摘。鞆の住民のみならず、国民の財産とも
いうべき公益性があると明確に認定した。

こうした景観は、鞆架橋計画の完成後は復元が不可能だと言及。「事業が鞆の景観に及ぼす影響は
決して軽視できない重大なもので、瀬戸内法などが公益として保護しようとしている景観を侵害する」とした。

さらに、県が鞆架橋計画の事業メリットとして挙げた道路や駐車場、港湾施設の整備効果についても
「必要性、公共性の根拠となる調査、検討が不十分か、もしくは埋め立ての必要性を肯定する合理性を欠く」と否定。埋め立て免許交付は知事の裁量権の範囲を超えるとして差し止めを命じた。

訴訟は、鞆町の住民ら163人が2007年4月に県を相手に起こした。県と福山市が事業主体として進める
鞆架橋計画を、原告は「景観を損なう埋め立ては公有水面埋立法に反する」と知事に免許しないよう求めた。これに対し、被告の県は「景観への影響は少なく、大多数の住民が実現を望む事業で適法」と全面的に争ってきた。
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Commented by ji5isl at 2009-10-02 21:46
外にいてとやかく言うのは無責任すぎますね。歴史的、文化
的価値が高くても、ですね。
こうは書いたものの個人的にはとりあえずほっとしておりま
す。歴史的、文化的価値を一旦壊してしまうと取り返しがつ
きません。利便性は得られるかもしれませんが、人を呼べる
代替となるものはそう容易に作ることは出来ませんし。
せっかく話題になったので、観光客が増えればいいですね
Commented by わだん at 2009-10-02 23:38 x
福山出身の私としては、よかった~と思います。
地元の人たちも、架橋計画推進派ばかりではなかったと思います。
鞆に住んでる友達も何人かいたけど、不便とかいう言葉を聞いたことありません。田舎すぎるとは言ってましたが(笑)
Commented by enokama at 2009-10-03 06:03
>ji5islさん
こうやって今までの日本だと、たくさんの歴史遺産がなくなってきたんでしょうね・・・
それに(開発に)遅れてしまった鞆ですが逆に後世になって、評価される日が
くるでしょう。。。

でも人口流出の問題は地域に関わることだから、どうにかならないかなと思います!
Commented by enokama at 2009-10-03 06:08
>わだんさん
バスは頻発してますしね。
駅前の天満屋には行き易いでしょう。。。
でも郊外のシネコンには車がないとね。
そんな施策を取ってきた社会の変化も、この架橋計画につながったのでしょうね。
Commented by 遊有 at 2009-10-08 21:24 x
 小生は福山市鞆町出身者です。 成人まで暮らしていました。
現在、鞆で生活している人たちには架橋は最低限、必要だと思います。
鞆に永住していない人たちには解らないのではないでしょうか。
住民の大多数の人達も架橋他に賛成しています。
反対派は極一部の人です。外部の著名人にも言いたいのですが、
もし架橋に反対するなら、鞆に永住する位の覚悟を持って貰いたいものです。
現福山市長の羽田さんも鞆出身の人ですが、住民の為によく頑張って居られると思います。その真摯さに敬意を表します。 以上。
 

Commented by enokama at 2009-10-12 10:13
>遊有さん
コメントありがとうございます!
ほとんどのブログで見られる感想は裁判を評価し、工事を見直せって意見
が圧倒的のようです。
僕みたいに架橋を肯定する記事を書いてるのは珍しいので、来られたのでしょうか?
今更、見直せって言っても議論は長年の課題、尽くされていると思うし。
僕はやっぱり今の景色が現状のまま、いつまでも残るのが一番だとは思いますが
まあ外野の意見に左右されずに、地元の方で決めることだと思います。
地元の生活があっての鞆の景観でありますし・・
by enokama | 2009-10-02 02:19 | 総合 | Comments(6)